マットレスには多くの種類があり、いざ購入するときには迷ってしまいがちです。快適に眠るためにはマットレス選びは重要で、自身の体質に合ったものを選ばなくてはいけません。
この記事では、マットレスの種類のほか、選ぶ際のポイントまで解説します。睡眠の質を向上したいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
マットレスが睡眠の質を左右する
マットレスとは、身体の下に敷く厚みがある寝具です。就寝中の体圧を分散する役割があり、材質や形状の違いなど、様々なマットレスが開発されてきました。
人間の身体が仰向けになると、頭・背中や肩・腰・足など、複数の部位に重力がかかります。特定の箇所に負担がかかりすぎると、腰痛や肩こり・血行不良・寝返りが多くなるなど睡眠の妨げになります。身体に合ったマットレスを選び、負担を分散させることが重要です。
マットレスの種類とは?
マットレスには様々な種類があり、材質・形状により、メリットや寝心地も異なります。
以下でタイプ別に詳しく解説します。
スプリングタイプ
スプリングタイプとは、中にばね(コイル)を仕込んでいるマットレスです。
ここでは、主流の「ボンネルコイル」と「ポケットコイル」について解説します。
ボンネルコイルマットレス
一つ一つのコイルを連結させて面を作り、その上をウレタンなどで覆ったタイプです。身体を面で支えるため、寝心地はやや硬めになります。通気性もよく、身体が沈み込みすぎないので、大き目の体格の人でも寝返りがうちやすいでしょう。
ポケットコイルマットレス
独立した一つひとつのコイルを布で包み、全体に敷き詰めたタイプです。身体を点で支えるため、寝姿勢が変わっても身体に沿ってフィットします。
寝心地はやや柔らかめで、それぞれのコイルが独立しているので大きな横揺れもありません。圧のかかりやすい腰や背中も点で支えてくれるため、体圧分散の面でも優れているタイプです。理想的な寝姿勢が保ちやすいので、寝ている際の床付き感が気になる方にも向いています。
ウレタン・樹脂素材タイプ
ウレタン・樹脂タイプは、「低反発」と「高反発」の2つに分けられます。低反発は柔らかめの寝心地、高反発はやや硬めの寝心地になるため、好みに応じて選びましょう。
低反発
低反発マットレスは、かけられた圧に応じてゆっくりと形を変えるのが特徴です。身体を包み込むように沈むため、重力や圧を感じにくいメリットがあります。身体に沿って形を変えるため、理想の寝姿勢であるS字カーブも維持しやすくなるでしょう。また、ウレタンは密度が高く、保湿性に優れているという特徴もあるため、冬場の冷え込みも軽減してくれます。
高反発(ウレタン)
高反発マットレスは、低反発よりも沈み込みが少ないタイプです。深く沈むと寝返りがうちにくい場合がありますが、程よい硬さがある高反発では寝返りもうちやすくなります。ウレタンは温度で質感が変わるため、夏は柔らかくなりやすいという特徴があります。また、体が小さく体重が軽い人は、やや硬すぎると感じることもあります。
高反発(樹脂)
ポリエチレン樹脂などを使用した高反発のマットレスです。適度な硬さをもちながら、ウレタンのように温度で硬さが変わることもほぼありません。反発力に優れているので、体の大きい人や寝返りが多い人におすすめです。薄くても硬さを維持できるので、ほかのマットレスや敷布団と合わせて使用できます。持ち運びやすい軽さもメリットの一つです。
高反発ファイバータイプ
密度の高いウレタンと違い、繊維状にした樹脂(ファイバー)が網目状になっているタイプです。通気性がよく水洗いも可能なマットレスが多いので、毎日清潔に保ちたい人に向いています。子どもが飲み物をこぼしたりおねしょしたりしても洗えるので安心です。
ダニやカビの心配も少ないので、ハウスダストやアレルギーが気になる場合もこちらのマットレスがおすすめです。
ラテックスタイプ
天然ゴムのラテックスを使用しているタイプです。使用しているラテックスの割合により「100%天然ラテックス」「天然ラテックス」「合成ラテックス」の3種類に分かれます。寝心地は低反発と高反発のちょうど中間ほどで、沈み込みすぎない適度な硬さが特徴です。ラテックス自体は通気性があまりよくないため、マットレス全体に穴が開けられています。
天然ラテックスは耐久性にも優れ、ウレタンなどのマットレスよりも長持ちしやすいのもメリットです。
ボンネルコイルとポケットコイルタイプの違いとは?
ボンネルコイルとポケットコイルの大きな違いは、コイルが連結しているかどうかです。ボンネルコイルは、コイルをばねで連結して面を作っているため、かかった圧に応じて全体的に沈みます。
ポケットコイルは、一つひとつのコイルを袋に包み、並べて面を作っているタイプです。それぞれが独立しているため、揺れや沈みがほかのコイルに影響せず、身体にフィットするのが特徴です。
国内外メーカー別のマットレスの特徴とは?
マットレスは国内外のメーカーが数多くあり、特徴や魅力も異なります。
日本メーカー
日本のマットレスメーカーの特徴は、何といっても日本での気候や国内使用に合った商品が多い点です。日本市場を対象に研究をしているので、日本の湿度や気候など、様々な生活環境に対する工夫がされています。
海外のメーカー
海外のメーカーは、世界中に展開しているブランドが多く、サイズの種類も豊富です。国ごとに仕様を変えた商品を販売しており、品質に力を入れているメーカーが多いです。日本での販売にはライセンス費用がかかるため、値段がやや高くなりがちです。
ショップメーカー
ショップメーカー製のマットレスは価格に開きがあり、値段によって使用感やマットレスの構造も異なります。ボンネルコイルを使用した安価なマットレスも多くありますが、使用方法によっては、コストパフォーマンスが悪くなる場合があるので注意が必要です。
腰痛対策専門
腰痛対策に特化したマットレスもあります。薄くても床付き感の少ないものや、敷布団と合わせて使用するものなどです。程よい高反発のマットレスが多くあり、選択肢も広いのが特徴です。
マットレスを選ぶ際に確認することは?
マットレスは、一度購入すると長く使用するものです。快適な睡眠のためにも、ポイントを押さえて選びましょう。
変な揺れがないかどうか
マットレスによっては、些細な動きでも揺れやすいものがあります。あまりに横揺れが大きいものだと、寝返りをした際に気になってしまい、眠りが浅くなってしまうケースがあります。
きしみ音がないかどうか
スプリングを使用しているマットレスの場合、揺れや沈み込む際にぎしぎしときしみ音が鳴ることがあります。ひどいきしみ音は快眠の妨げになるため、事前にしっかりとチェックしておきましょう。
通気性がよいかどうか
夏は高温多湿になりやすい日本では、マットレスの通気性も重要なポイントです。就寝中にかいた汗はマットレスの下へと溜まり、カビの原因となります。適度な通気性と放湿性があるかどうか、お手入れのしやすさなども確認しておきましょう。
寝返りがしやすいかどうか
快眠において、寝返りしやすいかどうかはとても大切な要素です。寝返りをする際に無駄な力を必要としないか、沈みすぎないかなどを確認しましょう。寝返りができないと血流が悪くなるだけではなく、腰痛の原因にもなります。
寝心地がよいかどうか
寝心地は人によって異なり、好みや体格も影響します。仰向けになってみても違和感がなく、理想の寝姿勢であるS字カーブが自然に保てるかなどがポイントです。仰向け・横向けでそれぞれ確認し、一カ所に圧がかかっていないかチェックしましょう。
マットレスの寿命はどれくらい?
使用頻度にもよりますが、一般的にマットレスの寿命は約10年といわれており、安価なものや素材によってはもう少し短くなることもあります。
マットレスの中央部や一部分がへこんだまま戻らない、スプリングからきしみ音がするようになったなどの場合は買い替えた方がよいでしょう。また、コイルの上に敷いてあるウレタンなどが劣化してくると、横になった際にコイルが身体に当たるようになります。この場合も買い替えを検討しましょう。