転職活動における合否判断の一つである面接。その面接を乗り切り、成功させるためにはどうしたらよいのでしょうか。業種や職種による違いなど、面接のコツについてご紹介します。
転職活動で避けて通れない面接 成功のコツ、ポイントは?
転職をする場合、どの企業でも必ず行われる面接。転職活動で面接は避けて通れません。
その面接を乗り切り、成功させるためにはどうしたらよいのでしょうか。
面接を成功させるためのコツやポイントを考えてみましょう。
金融系、テレビ局……業種で変わる?面接のコツ
面接で、入社意欲やスキル、キャリア、自分を採用することのメリットをアピールすることはもちろん重要ですが、転職する業界や職種ごとに面接のコツの違いはあるのでしょうか?
金融系、地銀(地方銀行)などの面接のコツは?
金融系では面接の受け答えだけでなく、面接が始まる前からのアクションも重要です。前職での担当業務や経験を重視するところが多く、職務経歴書の提出を求められるケースがあります。履歴書はもちろんですが、職務経歴書をしっかりと書くことが大切です。
時間やマナーに関しても厳しいので、遅刻は厳禁です。面接日決定後の変更も「スケジュール管理ができない」と見なされてしまう可能性があるので、注意が必要です。現職の都合などでどうしても変更せざるを得ない場合は、早めにお詫びの連絡をし、理由を簡潔に説明したうえで先方が調整をしやすいよう、複数日程候補を出すようにしましょう。
また、面接時の言葉遣いやマナーにも細心の注意を払うことが重要です。
身だしなみや服装に関しても、他業界と比べ堅い業界と言われていますので、気をつけましょう。スーツのカラーは濃紺など、ダークな色味が基本です。ネクタイも派手な色や柄は避け、実直さ・真面目さをアピールできるようにしましょう。
メーカーを目指すなら?面接のコツ
メーカーへの転職活動の場合、職種によっては必要な資格やスキルがあり、それを満たしていないと面接に進むことはできません。条件を満たしている場合は資格やスキルがあるというだけではなく、その資格を活かしてどのような仕事をしてきたのか、スキルはどのように磨いてきたのか、などを具体的に、わかりやすく伝える必要があります。資格が必須でない場合も前職で積んできた経験やスキルは重要視されますので、わかりやすく説明できるように準備をしておきましょう。
営業職の場合は、スタンスや意気込みをきちんと伝えることがポイントです。同じような製品がある中で、なぜその会社の製品を営業したいと思ったのかなどを、わかりやすく説明することが大切です。
ホテルやサービス業でのコツは
サービス業は常に人と関わる仕事ですので、特に第一印象が重要なポイントになります。笑顔や姿勢、視線や声のトーン、服装の印象が重視されるので、志望する職場のカラーに合わせた服装を心がけましょう。
そして、次の判断基準が、応募理由や応募企業への熱意です。面接で「お客様の役に立ちたい」「人と接するのが好き」「なぜここを選ぶのか?」といった思いを、しっかりと伝えるようにしましょう。
また、どんなに能力があっても、お客様はもちろんのこと、社内の人々との関係をうまく構築できないのでは、と不安を与えてしまっては採用されませんので、人の想いを汲み取って行動できる、協調性をアピールすることにも留意しましょう。
外資系企業での面接のコツ
外資系企業にもさまざまな業種の企業があります。職種も多岐にわたり、中には英語が話せなくても応募可能な職種もありますが、多くの企業・職種で英語をはじめとする語学力が必要とされています。特にグローバル化が進む現代において語学力の重要さは増しており、企業によっては英語の筆記試験や英語での面接を行うこともあります。
業種を問わず、面接ではあいまいな表現は好まれません。質問されたことに対してはまず簡潔に答えるのが鉄則。そのためにも、自分の仕事に対する考えや入社への思いをあらかじめまとめておき、質問に対して明確に答えられるように準備しておくことが大切です。
面接のコツは企業規模でも変わる?大手企業、中小企業で違いはある?
面接する企業の規模でも面接のポイントは変わってきます。
大手企業の場合は、応募人数も多いため、一次面接など選考の初期段階では企業が求める人物像にどこまで当てはまるか、企業側が独自に判断基準を設け、事務的に判断を下している場合もあります。そういった場合は、第一に経験・スキルが重視されるため、短い時間の中で自身の今までの経験・スキルを最大限にアピールできるよう、練習した上で挑むことが大切です。
それに対して中小企業の場合は、少ない社員組織の中に馴染んでやっていけるかというコミュニケーションスキルを初期段階から見られることが多いです。経験やスキルももちろん重要視されますが、それに加えて自身の魅力や仕事のスタイル、なぜその企業で働きたいのかといった入社意欲をしっかりと自分の言葉で語れるように準備をすることが重要です。
仕事の能力はもちろんですが、自分という人間の魅力や、何故その企業で働きたいのかといった入社意欲をアピールすることが重要になってきます。
SEやMR、理系、技術職の面接と、事務系の面接の違い
転職の場合、前職で培ったスキルや経験も重視されるため、職種によって面接の内容も変わってきます。では、技術系・事務系職種でアピールすべきポイントに違いはあるのでしょうか?。
技術系職種の場合
技術系職種の場合は、企業側が求めている技術要件やスキルを満たしていたり、資格を持っていたりすることが重要視されます。
ですが、スキルがあれば即採用というわけではなく、組織の中で働く上でのチームワーク力、統率力なども見られますので、自身の希望するポジションに求められるチームや組織の中での働き方を意識したアピールが必要となります。
いくら技術力を持っていても、スキルや資格を自慢するような態度は禁物です。また、自身の持っているスキルをどのように組織に生かして貢献できるか、といった視点も大切になります。
事務系職種の場合
事務系の仕事にも資格が必要な専門職はありますが、そうした職種でない場合は経験やスキルに加え、どのような意識を持って仕事に取り組んでいたかという点も注目されます。
事務系職種には、会社の業務全般と関わる仕事や、業務を支援する仕事が多く、これらの仕事を進める際には様々な部署の社員と関わる必要があります。社員と良いコミュニケーションをとれる人、好き嫌いなく人と接することができる人など、一緒に仕事をしたいと思ってもらえるかどうかが重要なポイントです。
面接での受け答え、プレゼンのコツは?
アピールのポイントを踏まえた上で、面接の具体的な受け答えのポイント、よく聞かれる質問への答え方のコツについて 考えていきます。
自己紹介・自己PRのコツ
自己紹介は、簡潔にわかりやすくがポイントです。
また、自身の長所をアピールする自己PRでは、「1分で」といったように時間を指定されるケースもありますので、時間に合わせていくつかのパターンを用意し、事前に練習しておくと良いでしょう。
自己PRの押さえておきたいポイントについては、こちらの記事でより深く解説しています。
志望動機の伝え方のコツ
志望動機は、面接官が一緒に働きたい人材かどうかを判断するのに重要な質問です。企業研究などを行い、事前にしっかりと自分の思いをまとめ、面接官に「なぜこの会社を志望しているのか」が伝わるように答えましょう。
志望動機の中に、前職場の悪口や「待遇への不満」「勤務時間への不満」「人間関係の問題」といった、ネガティブな要素を盛り込むことはNGです。面接官に、「うちに入りたいわけではないのでは?」「仮に入社してもすぐやめるのでは?」「ただの逃げでは?」と不安を抱かせてしまいますし、採用したとしても何か不満があれば退職する可能性があると思われてしまいます。
志望動機のまとめ方については、こちらの記事でより詳しく解説しています。
模範解答を覚えるコツはある?
転職サイトや雑誌、面接対策本などに模範解答例がよく掲載されていますが、それを丸暗記したい、覚えるコツは?と考える方もいるかもしれません。
ですが、それはおすすめしません。
面接で重要なのは、面接官の質問意図を理解して自分の言葉で答えることです。人それぞれ、仕事の中で積んだ経験や身につけたスキルは違います。模範解答を丸暗記するのではなく、質問の意図を理解した上で、自分の言葉で答える練習を重ねることをおすすめします。
面接の受け答えのコツ、面接でリラックスするコツは?
ここでは面接での態度や受け答えのコツ、緊張する面接の場面でリラックスするためのコツをご紹介します。
胸をはり、背筋をのばした正しい姿勢で
・椅子に浅めに腰掛け、背筋を伸ばして胸を張る
・男性の場合は肩幅に(あるいは膝の間をこぶしひとつ分くらい開けて)足を開き、手は膝の上で軽く拳を握る
・女性の場合は膝をそろえ、手は重ねて膝の上に置く
このように正しい姿勢で座るだけでも、きちんとしているという印象を持たれ、自信をもってこの場に臨んでいるように見えます。
だらしない座り方をしていたり、背中が曲がり、うつむきがちだったりすると、やる気がなさそう、自信がなさそうに見え、「この人、大丈夫かな?」と不安を持たれてしまいます。
話し始めるより先に目に入る姿勢。それだけである程度の評価をされてしまうのはもったいないことですから、しっかりマスターしておきましょう。
話し方のコツ、大前提はゆっくり話すこと
緊張すると自然と早口になってしまうという方は多いでしょう。実際の面接の場でも、緊張でつい早口になってしまっている方をよく見かけます。
早口になっているな、と自分で感じたらひと呼吸置いて、ゆっくり話すように心がけましょう。
ゆっくりと落ち着いた話し方をすることで、面接官に話の内容が伝わりやすくなり、理解もしてもらいやすくなります。また、自信をもって話しているようにも見え、一石二鳥です。
一方、同じ内容でも早口で話してしまうと、緊張している印象が残りやすく、仕事で何かあったときに臨機応変に対応できるのだろうか、という不安まで持たれかねません。
面接は緊張しやすい場面です。面接官もそれは充分承知しています。
自分が緊張しているなと思ったら、深呼吸をする。落ち着いたところで、またしゃべり始める。そうして心を落ち着け、しっかりと話すようにしましょう。
緊張せずにリラックスするためのコツ
緊張せずに話すためには経験を積むのが一番ですが、事前に面接の練習をすることもおすすめです。
とはいえ、どのように練習すると良いでしょうか?
面接の練習はどこで、どうやる?
面接の練習をするといっても、一人ではなかなか難しいものがあります。家族や親しい友人に協力してもらうという方法もありますが、それは難しい、恥ずかしいという場合は、一人で鏡の前でイメージトレーニングするのも良いでしょう。